こんにちは。
伊藤かよこです。
たとえば、患者さんが、「もう治らないわ、きっと」と言った時。
① 「そんなことはないですよ。一緒にがんばりましょう」
② 「そうか、そんな気持ちなんだ」
③ 「どうしてそう思われるのか、教えてもらえません?」
④ 「大丈夫ですよ」と笑顔で接する。
⑤ 無言で寄り添う
さて、正解はどれでしょう?
というわけにはいかないんですね。
関係性やその場の雰囲気によって、なにが適切かは違いますから。
正解のないものをどう身につけたらいいでしょう?
多くの人が「経験」だと言いますし、私もその通りだと思います。
ただし、同じことを経験しても、そこから何を学ぶのかは人によって違います。
コミュニケーションスキルを上げるために、経験から「濃く」学ぶには、「観察力」を鍛えることです。
私が主催している【対話の学校】は、基本的に3人組で行います。
「話し手」「聞き手」「観察者」
私たちは「話すときは話すことで精いっぱい、聞く時は聞くことで精いっぱい」なのです。
だからあえて、「観察者」役を設けることで、患者さんの反応を集中して、観察する練習ができます。
私は2000年に治療者になってから、いろんな心理療法を学んできました。
そこでわかったことは、結局「聴く」「観察する」という基本ができれば特別な心理療法テクニックなど必要ないということです。そして、同時に、「聴く」「観察する」という基本を身につけるのがいかに難しいかということです。
基本を大事にした【対話の学校】のプログラム。
医療に関わる方には全員受講していただきたいと願っています。